リベンジポルノとは?リベンジポルノ防止法について解説します

1 リベンジポルノとは

リベンジポルノの意味については以下の通りです。

「リベンジポルノ」とは、離婚した元配偶者や別れた元交際相手が、相手から拒否されたことの仕返しに、相手の裸の写真や動画など、相手が公開するつもりのないプライベートな性的な画像を無断でネットの掲示板などに公開する行為である。

 出典:園田寿「刑事立法の動き リベンジポルノ防止法について」『刑事法ジャーナル』第44巻 47-56頁(成文堂・2015年8月)

「仕返し」という言葉からもわかりますが、リベンジポルノは恨みを原動力とする行動です。そのことから、復讐ポルノと呼ばれることもあります。

2 リベンジポルノ防止法の解説

(1)リベンジポルノ防止法の正式名称

リベンジポルノ防止法の正式な名称は、「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」です。一応、リベンジポルノ防止法と検索しても、法律自体は検索結果に出てきますが、条文を詳しくみてみたい方は正式名称もおさえておきましょう。

私事とはプライベートなことを意味しますので、性的でプライベートな画像などを提供することなどの被害を防止するための法律だということですね。

(2)リベンジポルノ防止法が禁止すること

リベンジポルノ防止法は、次の通り、私事性的画像記録の提供等を禁止しています。

第3条1項 第三者が撮影対象者を特定することができる方法で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を不特定又は多数の者に提供した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第3条2項 前項の方法で、私事性的画像記録物を不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者も、同項と同様とする。
第3条3項 前二項の行為をさせる目的で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を提供し、又は私事性的画像記録物を提供した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
1項は、電気通信回線を通じた提供行為を禁止しています。たとえば、インターネットの掲示板に私事性的画像記録を投稿することがこれにあたります。
2項は、提供または陳列行為を禁止しています。たとえば、メールで複数人に対して私事性的画像記録物を送信することがこれにあたります。
3項は、公表目的での提供を禁止しています。たとえば、友達に公開してもらう目的でその友達に私事性的画像記録を送信することがこれにあたります。
それでは、私事性的画像記録とはどういったものを指すのでしょうか。その定義を定めた条文があるので確認しておきましょう。
第2条1項 この法律において「私事性的画像記録」とは、次の各号のいずれかに掲げる人の姿態が撮影された画像(撮影の対象とされた者(以下「撮影対象者」という。)において、撮影をした者、撮影対象者及び撮影対象者から提供を受けた者以外の者(次条第一項において「第三者」という。)が閲覧することを認識した上で、任意に撮影を承諾し又は撮影をしたものを除く。次項において同じ。)に係る電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。同項において同じ。)その他の記録をいう。
一 性交又は性交類似行為に係る人の姿態
二 他人が人の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下この号及び次号において同じ。)を触る行為又は人が他人の性器等を触る行為に係る人の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
括弧が多くて読みづらいですが、要するに、私事性的画像記録とは、1号~3号に記載されているものが映っている画像や動画のデータを指します。
1号は、性交または性交類似行為の様子を撮影したデータです。性交はセックスのことです。性交類似行為はセックスと同視できる態様の性的な行為をいいます。具合的には、手淫・口淫・同性愛行為がこれにあたります。
2号は「性器等」を触る・触らせる様子を撮影したデータです。「性器等」とは括弧内に記載があるように、性器・肛門・乳首のことをいいますので、これらを触る・触らせる行為のうち、一般人基準で性欲を興奮させまたは刺激するデータが2号にあたります。
3号は、衣服の全部または一部を着けない人の様子で人の性的な部位が露出・強調されているデータです。要するに、全裸・半裸の状態などの性器周辺・おしり・胸が露出・強調されているデータのことですね。こうしたデータのうち、一般人基準で性欲を興奮させまたは刺激するデータが3号にあたります。
また、私事性的画像記録物についても条文があります。
第2条2項 この法律において「私事性的画像記録物」とは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、前項各号のいずれかに掲げる人の姿態が撮影された画像を記録したものをいう。
写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物というのは、写真・紙・フィルム・DVD・USBメモリなどの記録した物を指します。これらの物に私事性的画像記録が記録されていれば私事性的画像記録物です。
ここで(2)に記載したことを簡単にまとめると、次の通りです。
リベンジポルノに限らず、人のエッチなプライベート画像や動画などをインターネット上で公開したり、公表目的で他人に送信したりすると犯罪行為となります。

(3)親告罪

ところで、リベンジポルノ防止法は私事性的画像記録の提供等を禁止の罪が親告罪であることを定めています。
第3条4項 前三項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
つまり、告訴をしなければ刑事裁判になりません。その結果、告訴をしなければ有罪になることはありません。また、告訴がなければ捜査すらされません。

3 リベンジポルノの被害にお悩みの方へ

リベンジポルノの被害に遭うと、多くの人の自分の性的な画像や動画がみられてしまい、精神的に甚大な被害を受けます。しかしながら、告訴をしたり、民事訴訟をするなど自ら動かなければ状況は何も変わりません。つらい気持ちをどうにか振り切って、勇気をもって行動をすることが被害回復への第一歩となります。そして、その際には、法律の専門家である弁護士に相談をし、何が最も良い解決策であるのかを一緒に考えながら歩んでいくことが再起への近道といえるでしょう。お気軽にお問い合わせ下さいね。