有給休暇とは?有給休暇の日数は?有給休暇の基礎知識について解説します

1 有給休暇(年次有給休暇)とは?

有給休暇とは、毎年一定日数、賃金を受けながら取得できる休暇のことをいいます。つまり、有給を利用すると、その日のお給料をもらいながら会社を休むことができます

有給休暇は、労働基準法の定める要件を満たせば当然に発生する労働者の権利です。有給休暇をとるのに会社の承諾を必要としません(最高裁昭和48年3月2日)。もちろん、有給休暇をとることを会社に伝えなければ、ただの無断欠勤になってしまいますので、いつ有給休暇をとるのかを会社に伝えることは必要です。

2 有給休暇の発生要件と有給休暇の日数

有給休暇の発生要件については、労働基準法に定めがあります。

39条1項 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

つまり、①6カ月以上継続勤務、②全労働日の8割以上出勤という2つの要件を満たせば、労働者に10日分の有給休暇をとる権利が発生するのです。

また、次のように継続勤務年数に応じて発生する有給休暇の日数が増加します。

39条2項 使用者は、一年六箇月以上継続勤務した労働者に対しては、雇入れの日から起算して六箇月を超えて継続勤務する日(以下「六箇月経過日」という。)から起算した継続勤務年数一年ごとに、前項の日数に、次の表の上欄に掲げる六箇月経過日から起算した継続勤務年数の区分に応じ同表の下欄に掲げる労働日を加算した有給休暇を与えなければならない。ただし、継続勤務した期間を六箇月経過日から一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日の前日の属する期間において出勤した日数が全労働日の八割未満である者に対しては、当該初日以後の一年間においては有給休暇を与えることを要しない。
要するに、次の表の通りに有給日数が増加するのです。
継続年数有給の付与日数
6カ月10日
1年6カ月11日
2年6カ月12日
3年6カ月14日
4年6カ月16日
5年6カ月18日
6年6カ月20日

ただし、パートタイム労働者など週の所定労働時間が30時間未満で、かつ、所定労働日数が少ない労働者については、以下の表の通りになります。

継続年数有給の付与日数
週4日勤務の場合週3日勤務の場合週2日勤務の場合週1日勤務の場合
6カ月7日5日3日1日
1年6カ月8日6日4日2日
2年6カ月9日6日4日2日
3年6カ月10日8日5日2日
4年6カ月12日9日6日3日
5年6カ月13日10日6日3日
6年6カ月15日11日7日3日

3 有給休暇の取得の方法

冒頭にも記載しましたが、いつ有給休暇をとるのかを会社に連絡すれば有給休暇をとることができます。連絡手段は書面でも口頭でもどちらでも構いません。また、有給休暇をとるにあたって会社の承諾は必要ではありません(最高裁昭和48年3月2日)。ですので、有給休暇をとるにあたって何か合理的な理由が必要となるわけではありません。発生している有給休暇は自由にとって、自由に使うことができるのです。

ただし、労働者が「〇月〇日に有給を取得します」と会社に連絡した際に、会社がそれを拒むことができる場合があります。次の条文をご覧ください。

39条5項 使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。

つまり、原則として、労働者側が有給取得の具体的な時期や季節を決めることができるのですが、その時季に有給をとることが「事業の正常な運営を妨げる場合」には、会社側がそれを拒むことができるのです。これを会社の時季変更権といいます。時季変更権は、会社が労働者に対して「その日の有給取得は承認できない」と伝えるだけで足ります。

「事業の正常な運営を妨げる場合」という要件については、単に業務上の支障が生じるというだけでなく、その前提として、会社が適切な人員配置や代替要員確保の努力をおこなっているかなど、労働者が指定した時季に年休が取得できるよう状況に応じた配慮を尽くしているかどうかも踏まえて判断されます(最高裁昭和62年7月10日)。有給取得が長期間連続の場合には、業務上の支障の程度を正確に予測することが難しくなりますので、会社側に有利に判断される可能性が高くなります。

つまり、会社の時季変更権の行使については、ケースごとに細かい判断が必要になるのです。しかしながら、有給取得に何か理由が必要というわけではありませんので、会社側が「その理由では有給を取得することはできない」といった拒み方をすることはできません。

4 有給休暇がとれないとお悩みの方へ

有給休暇をとらせない会社は、労働基準法で定められた労働者の権利を無視しているということを意味します。2019年4月1日からは、10日以上の有給休暇が付与されている労働者について、年に5日の有給休暇をとらせることが会社の義務とされました。そんな中で、法律にも時代にも逆行して、有給休暇をとらせないような会社をこれからも続けるべきなのか、真剣に考えなければなりません。有給を含め、勤務先の会社の対応でお悩みの方は一度弁護士にご相談ください。勇気ある一歩を。

有給休暇の義務化については以下の記事をご参照ください。

あなたの会社は大丈夫?有給休暇義務化について解説します