【ワンピース】ゴムゴムの実を無許可で食べたルフィに犯罪が成立する?【第1話】

1 問題のシーン

小さな港町に滞在していた海賊は、以前、敵船からゴムゴムの実を奪いました。村の少年ルフィは、なんと…

(出典:「ONEPIECE」尾田栄一郎・集英社・第1巻24頁より)

海賊に無許可でゴムゴムの実を食べてしまいました。

今回問題となるのは、勝手にゴムゴムの実を食べたルフィに犯罪が成立するかどうかです。

2 人の物を勝手に食べる行為は何罪?

人の物を勝手に食べる行為には窃盗罪(刑法235条)が成立します。

刑法第235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

ルフィも海賊の物とおぼしきゴムゴムの実を勝手に食べるという形で海賊のゴムゴムの実に対する支配を奪っているので窃盗罪にあたりそうです。

3 もともとは海賊の物ですらないが…

もっとも、ゴムゴムの実は、赤髪のシャンクスが率いる海賊が他の海賊から奪ったものです。所有者の意思に反して無理やり奪っても、所有権が移るわけではありません。つまり、ゴムゴムの実はシャンクスらではなく奪われた海賊が所有権を持っているという可能性があるのです。仮に、そうだとした場合、窃盗罪の成否に影響があるでしょうか。

実は、影響がありません。窃盗罪は基本的には人の占有(所持しているという事実的な状態)を保護していると考えられておりまして、所有権を保護しているわけではないのです。ですので、窃盗罪の「窃取」というのは、財物の占有者の意思に反して、その占有を侵害し、自己または第三者の占有に移すことだと解釈されています。

シャンクス率いる海賊は、自分たちの船の中でゴムゴムの実を管理するという形でゴムゴムの実を占有していました。これを無許可で食べることでゴムゴムの実の占有を自分に移転させたルフィの行為は、窃盗罪の要件を満たすのです。

4 刑事未成年?

しかし、ルフィは少年です。ルフィと村の人々とのやりとりから見るに、ルフィは14歳未満である可能性も否定しきれません。ルフィが14歳未満の場合、窃盗罪は成立しません(刑法41条)。

刑法第41条 十四歳に満たない者の行為は、罰しない。

いわゆる刑事未成年です。この場合、責任能力がないということで、窃盗罪の成立が否定されます。そのため、刑罰に問われることはありません。そうすると、何もおとがめなし?と思われるかもしれませんが、そういうわけではありません。

少年法第3条第1項 次に掲げる少年は、これを家庭裁判所の審判に付する。
第2号 十四歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年

少年法の3条1項2号はいわゆる触法少年について少年審判の対象となることを定めています。その結果、少年院に収容されたり、保護観察といって、月に数回、保護司の下に通わせて指導を受けなければならない可能性があります。

5 まとめ

以上より、ルフィが14歳以上であれば、ルフィの行為には窃盗罪(刑法235条)が成立します。他方で、ルフィが14歳未満なら犯罪不成立ですが、少年審判の対象となり、少年院送致や保護観察等の処分を受ける可能性があります。