1 架空請求の手口
(1)手口を知ることからはじめよう
架空請求を見分けるためには、まずは架空請求を知ることです。架空請求の手口を知っていれば、業者が同じ手口で請求をしてきた際に、「あ、これ、前に見た架空請求のやつだ!」と気づくことができます。以下では、実際にあった架空請求の手口を簡略化したものを示します。架空請求には、①電話によるもの、②メールによるもの、③手紙やハガキによるものがありますが、ここでは電話によるものを示します。メールや手紙・ハガキなどの手口を知りたい方は、東京くらしWEBの架空請求業者等一覧をご参照ください。
(2)具体的な手口(電話バージョン)
料金の未納
「総合情報サイト利用料金が未納です」
「登録しているアダルトサイトの利用料金が未納です」
「登録している出会い系サイトの利用料金が未納です」
などと述べ、
「支払わなければ訴訟を起こす」
と脅してお金を振り込ませる手口があります。
名義を貸してほしい
「未公開株について優先権がある」
「社債について優先権がある」
「老人ホーム入居権について優先権がある」
「リゾート会員権について優先権がある」
などと述べ、
「(優先権を持つ)あなたの名義を貸してほしい」
などと依頼をし、これに応じた場合に、
「名義を貸したことは違法で逮捕される」
などと脅してお金を振り込ませる手口があります。
個人情報を削除します
「あなたの個人情報が漏れていますので削除をしましょうか」
などと述べ、依頼をした場合に、
「すでに〇〇の購入契約が結ばれているので、削除にはお金が必要。あとで返す」
などとだましてお金を振り込ませる手口があります。
2 架空請求の見分け方
(1)見分け方
では、このような架空請求と架空請求でないものとをどうやって見分ければよいのでしょうか。見分け方を挙げますね。
電話番号検索
架空請求業者は電話を用いることが多いです。電話番号をGoogleやYahooで検索してみましょう。検索後、みんなの電話帳や迷惑電話チェックなどの口コミサイトをクリックし、そこの口コミに変なことが書かれていないかをチェックしましょう。「詐欺業者」「迷惑業者」などといった変なことが書かれている場合には架空請求である可能性があります。
社名・団体名検索
電話以外の架空請求の場合、社名や団体名の記載があることが多いです。その名称を検索してみましょう。そして、検索結果や検索キーワード中に「架空請求」や「迷惑メール」などの単語がないかチェックしましょう。こうした単語があれば要注意です。
また、これに関連して、東京くらしWEBの架空請求サイト一覧に社名・団体名の掲載がないかを確認してみましょう。社名・団体名の掲載がある場合には架空請求である可能性が高いです。
メール・ハガキ・手紙の本文で検索
電話以外の架空請求の場合、本文の一部を抜粋して検索をしてみましょう。既に広まっている架空請求の場合、注意喚起をおこなうサイトがヒットすることが多いです。
また、東京くらしWEBの架空請求業者等一覧を確認しましょう。同じ文面の掲載がある場合には架空請求である可能性が高いです。
やりとりを書き出してみる
電話での架空請求の場合、電話でのやりとりを紙などに書き出してみるのがオススメです。電話中は気づかなかったけど、可視化(みえる化)してみると非常に怪しく感じることがあります。たとえば、振り込みを急かすような表現を多用していたり、やけにウマい話だったりしたときは、架空請求である可能性があります。
架空請求判定アプリ
SCAM DETECTORはAIで架空請求かどうかを判定してくれます。AIで判定できない場合には、弁護士が判定してくれます。
(2)見分ける上での注意点
一言でいうなら、即断は禁物です。たとえば、「東京くらしWEBに載っていなかったから架空請求ではない」「電話番号検索で口コミがなかったから架空請求ではない」などという判断をすると被害に逢いかねません。「これって架空請求かも?」と思ったら、いろんな方法を試してみた上で、それでも判断できなければ誰かに相談してみてください。最近は架空請求の撲滅に向けての取り組みが活発化していますので、銀行でも警察でも相談をすれば何かしらのアドバイスがもらえるはずです。
3 動画で学ぶ対処法―弁護士久保田 vs 架空請求業者
私はこれまで動画で多数の架空請求業者と戦ってきました。その一部をここに載せておきます。業者とのやりとりを知っておくだけでも参考になると思いますので、是非動画もご視聴ください。