Q&A 浮気OKという内容の書面がある場合に不貞行為をしたらどうなりますか?

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浮気を許容する内容の書面がある場合に不貞行為をしたらどうなりますか?
不法行為として損害賠償責任を負います。

この問題については、こんな裁判例があります。

東京地裁平成16年2月19日
「本件誓約書は、Aが結婚を切望するXの弱みに付け入り交付させたものであり、Xの真意を反映したものとは解されず、その内容も、婚姻当時にあらかじめ貞操義務の免除を認めさせるものであって、婚姻秩序の根幹に背馳し、その法的効力を首肯し得ないばかりか、社会良識の埒外のものである」

この裁判例は、婚姻をする前に、「浮気をしてもいい」という内容の誓約書を受け取っていたという事案についてのものです。このような誓約書があることを理由に、不貞行為をした者の責任が減るのかどうかが争いになりました。しかし、上記の通り、裁判例は、この誓約書の法的効力を否定し、この誓約書を慰謝料の減額要素としては考慮しませんでした

では、裁判例がいうような「弱みに付け入り交付させた」というような事情があればどうでしょうか。ここからは参考になる事例があるというわけではありませんので、推測ということになりますが、やはり法的効力は認められなかったでしょう。その理由は以下の通りです。

婚姻というのは夫婦間の性的な結合関係だといわれております。性的な結合関係といっても難しいですが、性的につながりあった関係ということですから、お互いに性的な関係を独占することを意味します。そうすると、婚姻をしたときに生じる貞操を守る義務は婚姻の本質的な要素といえますので、婚姻をした以上は貞操を守るという婚姻の本質を否定することはできません。このように、現在の法律上の婚姻の理解からは、婚姻後に浮気を許容するような合意に法的な効力を認めることは難しいと思います。あえて条文を挙げるとするならば、公序良俗(民法90条)に違反して無効ということになるでしょう。

浮気・不倫の違法ラインついて詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。

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