保証人になるなら自分の借金だと思ってなるべき。その理由を解説します。

1 保証人になるなら自分の借金だと思うべき

「保証人になるな」という話をよく聞きます。それはそれで正しいと思うのですが、「保証人になってくれ」と言われてその人との関係上どうしても断り切れないこともあるのではないでしょうか。そんな方に向けて、私としては「自分の借金だと思って保証人になれ」という言葉を贈ります。その理由をこれから解説していきます。

2 保証とは

そもそも保証とはどういった制度なのでしょうか。民法にはこんな条文があります。

民法第446条1項 保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。

主たる債務者というのは、人に対して義務を負っている人のことで、たとえば借金をした人です。借金をした人は、貸した人にお金を返す義務を負っていますよね。そして、履行というのは、義務を果たすことです。借金をした人でいえば、借金を返済することです。つまり、保証人は、借金をした人がお金を返さないときに借金をした人の代わりにお金を返す義務のある人ということなのです。

このように考えると「自分の借金だと思って保証人になれ」という言葉は言い過ぎに聞こえるかもしれません。しかし言い過ぎにならない理由があります。

3 連帯保証の恐ろしさ

現在、保証人を求められる場面では、ほとんどの場面でただの保証人ではなく「連帯保証人」が求められます。連帯保証とは、「主たる債務者が保証人と連帯して債務を負担する場合」(民法458条)の保証のことをいいます。ここで「保証に連帯ってつくだけで何が違うの?」と感じたあなたはカンが鋭いです。大きな違いは以下の条文にあります。

民法第452条 債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又はその行方が知れないときは、この限りでない。

民法第453条 債権者が前条の規定に従い主たる債務者に催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。

ただの保証の場合には、お金を貸した人が保証人に対して「返済して!」といってきたとしても、上記の民法452条や453条により「先に借金をした人のところに請求してよ」とか「借金した人はお金持ってるんだから、そっちに強制執行してよ」なんてことがいえます。しかし、連帯保証の場合には…、
民法第454条 保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、前二条の権利を有しない。
民法454条があることにより「先に借金をした人のところに請求してよ」とか「借金した人はお金持ってるんだから、そっちに強制執行してよ」という権利がありません。つまり、お金を貸した人が借金をした人をすっ飛ばしていきなり連帯保証人に請求することもできて、その場合に連帯保証人は返済をしなければならないのです。逆に、連帯保証人からすると、いつでも返すための準備をしておく必要があるということを意味します。こうなるともう自分の借金とあまり変わりませんよね。

4 まとめ

いかがでしたでしょうか。たとえば、200万円の借金について「俺を信じて保証人になってくれ」と言われて、言葉通りその人を信じて保証人になる場合でも、「200万円は自分の借金だ」と思って保証人になるようにしてください。そして、保証人という立場であってもいつでも返済ができるように手元の資金に余裕をもたせるようにしてください。逆に、資金の余裕がない場合には、保証人になってはいけません。この記事をみて、保証人になることの恐ろしさを少しでも知っていただければ幸いです。