1 保証人になるなら自分の借金だと思うべき
「保証人になるな」という話をよく聞きます。それはそれで正しいと思うのですが、「保証人になってくれ」と言われてその人との関係上どうしても断り切れないこともあるのではないでしょうか。そんな方に向けて、私としては「自分の借金だと思って保証人になれ」という言葉を贈ります。その理由をこれから解説していきます。
2 保証とは
そもそも保証とはどういった制度なのでしょうか。民法にはこんな条文があります。
主たる債務者というのは、人に対して義務を負っている人のことで、たとえば借金をした人です。借金をした人は、貸した人にお金を返す義務を負っていますよね。そして、履行というのは、義務を果たすことです。借金をした人でいえば、借金を返済することです。つまり、保証人は、借金をした人がお金を返さないときに借金をした人の代わりにお金を返す義務のある人ということなのです。
このように考えると「自分の借金だと思って保証人になれ」という言葉は言い過ぎに聞こえるかもしれません。しかし言い過ぎにならない理由があります。
3 連帯保証の恐ろしさ
現在、保証人を求められる場面では、ほとんどの場面でただの保証人ではなく「連帯保証人」が求められます。連帯保証とは、「主たる債務者が保証人と連帯して債務を負担する場合」(民法458条)の保証のことをいいます。ここで「保証に連帯ってつくだけで何が違うの?」と感じたあなたはカンが鋭いです。大きな違いは以下の条文にあります。
民法第452条 債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又はその行方が知れないときは、この限りでない。
民法第453条 債権者が前条の規定に従い主たる債務者に催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。
4 まとめ