Q&A セクハラの慰謝料の相場はどれくらいですか?

1 セクハラの慰謝料の相場

セクハラの慰謝料の相場はどれくらいですか?
セクハラ行為の内容にもよりますが、200万円以下にとどまることが多いです。

次の表は、セクハラ行為に対する慰謝料が認められた平成元年から平成24年2月までの裁判例83件の慰謝料額の分布です。

50万円未満22件
50万円超100万円以下28件
100万円超150万円以下12件
150万円超200万円以下17件
200万円超250万円以下8件
250万円超300万円以下9件
300万円超5件

出典:慰謝料算定の実務 第2版 千葉県弁護士会編 46頁、同書第1版 31頁以下

こうして眺めてみると、慰謝料額が50万円超100万円以下の裁判例が最も多く、次点が50万円未満となっております。一方で、300万円を超えるような高額の裁判例は5件と非常に少なくなっています。

慰謝料額はさまざまな事情を考慮して被害者の性的自由がどれだけ侵害されたかによって判断するものですが、さまざまな事情の中でも大きな影響を与えるのは次の4つの要素だといわれています。

①行為態様の悪質性
②行為の継続性
③休職・退職等の結果発生の有無
④被害者側の要因

①の行為態様の悪質性として、加害者が被害者に身体的接触があるかどうかという観点があります。次の表は、平成14年から平成24年2月までの裁判例65件の平均慰謝料額です。

接触なし97.2万円
接触あり180.9万円
キス・下着の中に手をいれる・性器を触らせる・性行為に及ぶなどの悪質な接触あり191.8万円

出典:慰謝料算定の実務 第2版 千葉県弁護士会編 47頁

接触の有無によって平均慰謝料額が大きく異なることがわかります。悪質な接触を含め、接触ありのケースだと50万円から300万円の範囲で慰謝料が認められることが多いです。他方で、接触なしのケースだと、数万円から50万円の範囲で慰謝料が認められることが多いです。ちなみに、接触なしのケースで平均慰謝料額が100万円近くに至ったのはセクハラ行為によって被害者が退職せざるを得なくなったケースで200万円や300万円といった高額慰謝料が認められていることに起因しています。

続けて、②行為の継続性については、セクハラ行為が1回のみなのか、それとも複数回なのかという観点があります。次の表も、平成14年から平成24年2月までの裁判例65件の平均慰謝料額です。

1回のみ92.3万円
2回以上156.3万円

出典:慰謝料算定の実務 第2版 千葉県弁護士会編 47頁

行為が1回のみなのか、それとも複数回なのかで平均慰謝料額が大きく異なることがわかります。

③休職・退職等の結果発生の有無では、セクハラ行為によって労働者が休職・退職をせざるを得なくなったような場合に、高額の慰謝料が認められるケースがあります。

④被害者側の要因については、被害者側の行為がセクハラ行為を助長した場合や、PTSDやうつ病の発症に被害者の気質などの要因が寄与している場合に慰謝料の大幅減額を認めたケースがあります。

2 セクハラを受けたと思ったら

あなたが受けた性的な言動がセクハラにあたり違法となるのかどうかは法的な判断です。一人で悩まなず、一度、弁護士にご相談ください。きっと心強い味方になるはずです。

なお、セクハラの判断基準について詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。

セクハラとは?どこからがセクハラ?セクハラの判断基準を弁護士が解説します