Q&A 肖像権侵害の慰謝料の相場はどれくらい?

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肖像権侵害の慰謝料の相場はどれくらいですか?
数万円から200万円までが多いです。
肖像権侵害の慰謝料については、肖像権の侵害とセットで名誉毀損の問題やプライバシー権侵害の問題が生じていることが多いので、必然的に考慮しなければならない要素が多くなります。
肖像権の侵害を主張して慰謝料請求が認められたケースをみてみましょう。
手錠と腰縄をつけられた法廷内の被告人の写真を撮影し、週刊誌に掲載した。慰謝料200万円(大阪地裁平成14年2月19日)
女性アナウンサーの水着写真を週刊誌に無断掲載した。慰謝料200万円(東京地裁平成13年9月5日)
制服姿などの写真を週刊誌に掲載した。慰謝料15万円~120万円(東京高裁平成18年4月26日)
告別式での姿を無断撮影し、週刊誌に掲載した。慰謝料150万円(東京地裁平成10年9月29日)
不良系ファッションのファッションリーダーの写真をもとに作画され、同人に酷似した人物を漫画に登場させた。その漫画では、同人に酷似した人物が犯罪行為をおこなうチームのリーダーで、けんかをして中学生に叩きのめされてみじめに横たわるシーンがあった。慰謝料50万円(東京地裁平成22年7月28日)
核燃料サイクル施設建設反対派の主導者の写真を、核燃料サイクル施設の事業母体である会社が発行する地方情報誌の表紙に掲載した。その情報誌は、施設の建設・操業を円滑におこなうことを目的として発行していた。慰謝料10万円(青森地裁平成7年3月28日)
釈放されて警察署から出てきたところを撮影した写真を新聞に掲載した。慰謝料100万円(横浜地裁平成7年7月10日)
廃棄物収集者の運転手の容ぼう等をテレビで生放送した。慰謝料100万円(東京地裁平成21年4月14日)
偽造商品券を金券ショップに持ち込み、偽造有価証券行使・詐欺の容疑で逮捕された事件について、隠し撮りした容疑者の映像をテレビで放映した。慰謝料50万円(東京地裁平成12年10月27日)
同僚の事務用机の引き出しからネガ・フィルムを盗み出して、タオルしか身に着けていない姿などの写真をホームページに掲載した。慰謝料200万円(東京地裁平成12年1月31日)
公道を歩いていた被害者の全身に焦点を絞って撮影した写真をウェブサイトに掲載した。掲載の目的は、東京の最先端のストリートファッションを紹介することにあった。慰謝料30万円(東京地裁平成17年9月27日)
アダルトビデオを物色している防犯カメラの写真を週刊誌に掲載した。慰謝料80万円(東京地裁平成18年3月31日)
メイクのサンプル用として撮影された顔写真を出会い系サイトの広告に無断使用した。慰謝料100万円(東京地裁平成17年12月16日)

裸、水着姿、手錠をかけられた姿といった、とくに他人にみられたくないような写真・映像の場合には、150万円以上の慰謝料認められていますが、その他はほとんど100万円以下の慰謝料に収まっています。

結局のところ、写真・映像の入手経路や写真・映像の使われ方などの点で受忍限度をどれくらい超えたのかが慰謝料額を判断する鍵になるのだと思います。

肖像権の意味やどのような場合に肖像権侵害が生じるのかを知りたい方は以下の記事をご参照ください。

肖像権とは?どんな場合に肖像権侵害になる?